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命日 ①

が、いつだったのか
実はあまり覚えていない。

ただそれは良く晴れた、
夏の訪れを感じた春の終わりの日曜日だった。

彼はまだ17歳だった。

彼はこれから、新しい道を歩むはずだった。

少なくとも、私はそう思ってた。



その日家には私と父親しかおらず、
私は一人机に向かってテスト勉強だか予習だかをしていた。

静かな昼下がり。

突然の電話。

父親の慌てたような足音。声。


「今から出るぞ」

「は?」

「峻が死んだ」

「…え?」
峻ちゃんは私と同い年の、従兄弟だった。

その前の年まで私と同じ学校に通ってて、
ちょっとした事情で辞めさせられて。



着の身着のまま、父親の車に乗りこむ。


直接は向かわず、まず先に祖父を探しに城山へ向かった。

休日は大抵、その城跡のある小さな山にいるらしい。


私は一人山の頂上を目指す。

葉桜が青々と繁り夏の訪れを予感させた。

青空から降り注ぐ太陽の光にじっとりと汗が滲んだ。
清々しい空気の中で、私は祖父を見付けられずに立ち尽くした。
気持ちばかり先行して、焦って、どうしようもなくて。



結局祖父は見付からないまま、
私達は峻ちゃんの家へ向かった。


すっかり憔悴しきった叔父さんと叔母さんが出迎えてくれて、
ある和室に通された。

山を一気に登って体温が上昇している私には、
その部屋はひんやりと涼しく、
寒気がした。


部屋の真ん中に布団が一組敷いてあった。

そこには浴衣を着させられた峻ちゃんが横たわっていた。

真っ青な頬。
実際に目にしても
夢みたいな、現実感のなさ。

首には何かを隠すように貼られたガムテープがヒドク浮いていて、
それだけがヒドク現実身を帯ていた。


峻ちゃんは自殺だった。



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*mie*

ファッションブランドコミュニティ「プーペガール」

Author:*mie*
3年と半年ちょっと続いた遠距離恋愛もついに幕引き・・・
これからは新しい恋愛に関してどんどんお惚気ていく予定(笑)



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